空気や水のごとく、もはや日常生活と切っても切れないお金。できれば不自由せずに暮らしたいところだが、よほどの成功者でもない限り、現代社会では無理な話だろう。金融、保険、不動産…いずれにしろ、お金をめぐるビジネスは魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)する弱肉強食の世界。持つ人は持つ人なりの、持たざる人は持たざる人なりの悩みを抱えているに違いない。そんな読者からの質問に答えるQ&A方式で、庶民のお金の悩みを解決しようというのが本書の意図である。 著者は「はみ出し銀行マン」シリーズで人気の元大手銀行マン。在職中に書いた『はみ出し銀行マンの勤番日記』が30万部を超えるベストセラーとなり、現在は評論、エッセイ、小説、講演等で幅広く活躍している。「あたり障りのない一般論じゃ意味がない」という辛口は本書でも健在だ。 資産運用、不況への対応から、田舎暮らしの留意点、浮気の相談まで、内容はバラエティーに富む。本書の特徴は失敗例だけを集めていることである。銀行でたくさんの客を見てきた著者は、成功例にパターンはないが、「お金で失敗したり、貧乏になった人はというと、例外なく、いくつかの法則や共通点があった」という。確かに、20万円の運用法を真剣に悩んだり、業種も決めていないのに起業したいという質問にはあきれるが、回答は的確で、一般の人にも参考になるはずだ。銀行での実務経験が豊かなだけあり、「アパート経営はインフレヘッジとして」といった有益な情報も多い。「大多数のFPは、金融機関からお給料をもらっている『単なるセールスマン』にすぎない」や「だいたい不動産屋自体、他人のふんどしで相撲を取る商売」といった金融業界の「ホンネ」の部分は、痛快この上ない。 ?「マネー雑誌は金融機関に不利なことは書けない」という指摘もある。マネー雑誌や経済新聞を熱心に読んで研究していると思っていても、本当は振り回されているだけかも。案外、お金に自信のある人こそ、本書を必要とするのかもしれない。(齋藤聡海)
様々なお金の悩みへの答え
「はみ出し銀行マンシリーズ」の著者による金銭面の相談への回答集です。
多様な相談が載っており、著者の本を初めて読む人でも楽しめますが、「はみ出し銀行マンシリーズ」のファンは特に楽しめると思います。
全体的に、(金銭面で)勘違いをしている人を、著者がその経験から諌めている事例が多く、諌める際の説明が、ホンネで、かつ、具体的なので、読んでいて納得させられます。
FPの書いた本とは、一味違った「資産運用読本」であり、お金に関する悩みがある人や、何かを始めようとしている人にはためになる本だと思います。
堅苦しくなく、読んで笑えながらお金に関する知識を増やしてくれる良書だと思います。
青春出版社
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